トランザクション「教育とコンピュータ」

編集の手引き

論文誌「教育とコンピュータ」編集の手引き(編集委員用)

2014年2月5日 制定

2014年12月20日 改訂

2016年7月9日 改訂

2016年11月3日 改訂

2017年11月11日 改訂

一般社団法人 情報処理学会

論文誌教育とコンピュータ編集委員会

本手引きは、論文誌「教育とコンピュータ」編集細則第15条に基づき、記事査読手続きの詳細について定めるものである。

〇判定について

記事の基本的な判定方針は、別に定める『論文誌「教育とコンピュータ」査読方針』と、『論文誌「教育とコンピュータ」記事査読の手引き(査読者用)』の「記事査読に対する基本的な考え方」に従う。
判定は、単に3者の評価の平均をとるのではなく、両査読者の意見を参考にしつつ、自身も査読を行い、メタ査読の本来の趣旨に照らして、査読内容に偏見や行き過ぎがないかを、投稿者の権利を保障する立場から再検討して、総合的に判断を下す。この際、結論が両査読者と異なることもあり得るが、メタ査読の本来の趣旨に基づき、査読者の判断を尊重し、査読者の判断に明らかな間違いがある場合など特別な理由がない限りは、より厳しい査読を行った査読者の判断よりも厳しい判断であってはならない。両査読者の意見が異なる場合には、特に注意して判断を下す。なお、複数回条件付採録と判定できるが、可能な限り3回以内の判定で採録となるよう留意する。

査読者への修正依頼

基本的には、各査読者が作成した査読結果の一部を、そのまま著者へ開示する。査読者の文章の修正は最小限に止めるべきであるが、著者への開示にあたり著しく不適切な表現などがある場合には、修正を依頼することができる。この場合には、どのように修正すべきかを明示する。なお、記事を条件付採録と判定した場合に、査読者の不採録理由を採録の条件とするような場合には、処置記録の採録の条件でその旨を明示する。

不採録記事をほぼそのまま再投稿した記事ならびに二重投稿・剽窃・盗用記事に関する特例処置

  1. 投稿された記事が、不採録記事をほぼそのまま再投稿した記事もしくは二重投稿・剽窃・盗用記事であると疑われる場合、その最初の判断はメタ査読者が行う。
  2. メタ査読者が不採録記事をほぼそのまま再投稿した記事もしくは二重投稿・剽窃・盗用記事と判断し、なおかつ、投稿者に差異を説明してもらうことが必要であると考える場合には、幹事団の承認を得た上で、編集委員長名で投稿者に対し「再査読の必要性を検討する目的、または、二重投稿・剽窃・盗用に該当しないかを検討する目的で、類似していると思われる記事と今回の投稿記事との違いを明確に述べた差異説明書」の提出を求めることができる。
  3. メタ査読者が「不採録記事をほぼそのまま再投稿した記事であり、再査読の必要性が無い」または「二重投稿・剽窃・盗用に該当する」と判断した場合、メタ査読者は、不採録の処置記録と差異説明書(投稿者から提出されている場合)を編集委員長に提出する。
  4. 編集委員会がメタ査読者の判断が妥当であると認めた場合には、不採録判定が確定する。また、必要な場合には、論文誌編集規程第4条に基づく処分を決定する。なお、妥当であると認められなかった場合には、通常通り査読手続きを行う。

記事査読のプロセス

  1. 投稿された記事の査読手続きは、原則として、研究会推薦記事については推薦元の研究運営委員会から推薦された編集幹事(査読担当)が、招待記事または特集記事については起案者と同じ研究運営委員会から推薦された編集幹事(査読担当)が、一般記事については記事の分野で選択された研究運営委員会から推薦された編集幹事(査読担当)が担当する(以下、担当編集幹事という)。該当する編集幹事(査読担当)が複数任命されている場合には、査読手続き中の記事が最も少ない編集幹事(査読担当)の中から決定する。また、担当編集幹事が利害関係者に該当する場合には、他の編集幹事、編集副委員長、編集委員長が担当を代行する。以後、投稿記事に関する著者との連絡は、原則として担当編集幹事が行う。
  2. 担当編集幹事は、速やかに担当記事に対して、編集委員長および編集副委員長および編集委員の中から1名のメタ査読者を割り当てる。なお、研究会推薦記事については、推薦元の研究運営委員会の主査および幹事の中からメタ査読者を割り当てることもできる。このとき、公平な査読が行えるように、著者と顔を合わせる可能性が高い者(所属が近く会議等で定期的に顔を合わせる、同じまたは近い建物に研究室があるなど)、もしくは、同一研究グループの者(過去5年以内に共著の発表がある、同一研究室出身など)が、原則としてメタ査読者にならないようにしなければならない。
  3. メタ査読者は、原則として2週間以内に、担当記事に対して2名の査読者を割り当て、査読依頼を送付する。なお、招待記事の場合には、編集委員の中から2名の査読者を割り当てなければならない。このとき、公平な査読が行えるように、メタ査読者と各査読者との関係性、各査読者と著者との関係性、および、両査読者間の関係性について、手順2.と同様の配慮をしなければならない。
  4. メタ査読者は、2名の査読者を任命後、速やかに担当編集幹事へ、査読者の情報を報告する。
  5. 査読者は原則として1ヶ月間以内に、採録、条件付採録、不採録のいずれかの判定を行い、所定の様式に基づく査読報告書をメタ査読者に提出する。ただし、著者が即断査読を申し出ている記事については、条件付採録の判定を行うことができない。なお、記事種別論文として投稿された記事のうち、記事種別ショートペーパーとしての採録でも構わないと著者が投稿時に申し出ている記事については、記事種別をショートペーパーに変更することを条件とする条件付採録の判定を行うことができる。また、投稿種別特集記事として投稿された記事については、投稿種別を一般記事に変更することを条件とする条件付採録の判定を行うことができる。特別な場合として、採録に値するが軽微な修正が必須であると判断される記事については、採録とした上で記事の修正点を著者へ提示し、最終記事をメタ査読者だけが最終確認することもできる。
  6. メタ査読者も担当記事の査読を行う。2名の査読者からの査読報告と併せて総合的に評価した上で、原則として2週間以内に採録、採録(最終原稿を再確認)、条件付採録、不採録のいずれかの判定を行い、「処置記録の書き方」に従い作成した処置記録および2名の査読者からの査読報告書を担当編集幹事に提出する。このとき、査読結果の内容等を2名の査読者に示し、再度意見を求めることができる。ただし、著者との連絡はもちろんのこと、査読者が互いに連絡をしないよう注意すること。査読者は、その結果として、先の査読報告書を変更しても構わない。メタ査読は、単に3者の評価の平均をとるのでなく、総合的に判断を下すものであるので、結論が両査読者と異なることもあり得る。
  7. メタ査読者は原則として採否の判断を下さなくてはならないが、特別な場合として判断不能の場合には、担当編集幹事と相談の上、手順2.と同様の方法で第2メタ査読者を選任し、メタ査読を依頼することができる。第2メタ査読者は、メタ査読者とも意見を交換しつつ、メタ査読者の代わりに手続きを行う。
  8. 記事の最終判定は、原則としてメタ査読者の判断を尊重しつつ、編集委員会において決定する。ただし、処置案が条件付採録の記事を条件付採録と決定する場合には、幹事団において決定することができる。担当編集幹事は、編集委員会での審議が必要な記事の受付番号、表題、著者名、所属、判定案を一覧にまとめ、編集幹事(総務担当)に審議を依頼する。幹事団において決定する場合には、担当編集幹事が、その旨を幹事団へ提案する。なお、編集委員長または編集副委員長が必要と認めた場合には、編集委員会および幹事団での審議に、オブザーバを参加させることができる。
  9. メタ査読者は、編集委員会または幹事団の決定に基づく担当編集幹事からの依頼により、著者へ提示する通知文(処置記録および2人の査読者の査読報告書から、著者に開示される部分だけを抜き出したもの)を作成し、担当編集幹事に提出する。このとき、処置記録を修正したり、査読者に対し必要に応じて査読報告書の修正を依頼したりすることができる。
  10. 担当編集幹事は、著者に判定結果と通知文を開示する。最終判定が採録、採録(最終原稿を再確認)、不採録の場合には、査読手続きを終了する。なお、「情報処理学会論文誌(トランザクション)原稿執筆要領」に定められた学会事務局への通知等については、編集幹事(総務担当)が行う。
  11. 最終判定が条件付採録の場合、著者は、採録の条件に関連して記事を修正することができる。著者は、修正後の記事原稿および照会事項に対する回答書(記事の修正を行った場合には、修正個所と修正理由を含む。A4紙・任意様式)を、原則として2ヶ月間以内に提出(再投稿)しなければならない。期限までに再投稿が行われない場合、担当編集幹事の発議および編集委員会の承認により、投稿取り下げとすることができる。なお、投稿種別特集記事として投稿された記事については、幹事団の決定により2ヶ月よりも短い期間での再投稿を求めることができ、これを超過した場合には、担当編集幹事の発議および編集委員会の承認により、投稿種別を一般記事に変更、または、投稿取り下げとすることができる。また、著者の変更(増減および順序変更を含む)は原則として認められないが、回答書への変更理由の明記、および、著者変更理由書(A4紙・任意様式)の提出が行われ、なおかつ、変更理由が妥当である場合には、これを認めることができる。
  12. 再投稿が行われた場合、担当編集幹事は速やかにメタ査読者へその旨を通知し、手順5以下の手続きにより再査読を行う。この時、幹事団の決定により、査読報告書および処置記録の提出期限を短縮することができる。また、すでに採録または不採録の判断を出していた査読者の、判断の変更も認める。なお、提出期限までに査読報告書が提出されない場合には、担当編集幹事およびメタ査読者の判断により、前回採録または不採録と判断した査読者に限り、先の判断に変更なしとして手続きを進めることができる。

補足事項:基幹論文誌と異なり、再投稿の場合であっても条件付採録の判断を行うことができる。

担当編集幹事・メタ査読者・査読者への督促

 担当編集幹事が行うべき処理が遅延している場合の督促は、編集委員長が行う。また、大幅に遅延している場合には、編集委員長の判断により、担当編集幹事の交代を行う。
 処置記録の提出が遅延しているメタ査読者への督促は、担当編集幹事が行う。ただし、大幅に遅延している場合には、編集委員長が督促する。また、編集委員長が督促しても提出されない場合には、編集委員長と担当編集幹事の判断により、メタ査読者の交代を行う。
 査読報告書の提出が遅延している査読者への督促は、メタ査読者が行う。ただし、大幅に遅延している場合には、担当編集幹事または編集委員長が督促する。また、担当編集幹事または編集委員長が督促しても提出されない場合には、担当編集幹事とメタ査読者の判断により、査読者の交代を行う。

処置記録の書き方

  1. 処置記録報告期限:原則として2週間以内に報告を行う。ただし、2回目以降の査読の場合には、幹事団の決定により、報告期限が短縮される場合がある。
  2. 処置記録は、次の通り作成する。なお、項目iv~viiは、そのまま著者に開示されるので、内容等について十分な配慮を行うこと。
    1. 「査読結果」「編集委員会への採否判定理由の説明」「編集委員会へのコメント等」:割り切って結論を断定的に下し、取り扱いは編集委員会に任せるなどの判定は行わない。複数回の条件付採録判定が可能であるので、積極的に採録、採録(最終原稿を再確認)または条件付採録と判定するよう心掛ける。
    2. 「信頼性」「新規性」「有用性」「総合評価」:5段階で判定する。各段階の目安は次の通りである。
      1:採録基準を満たさない
      2:採録基準をやや満たさない
      3:採録基準を満たす
      4:論文賞に選定されても良いレベル
      5:論文賞に相応しい
    3. 「論文賞の可能性」:総合的に、論文賞に相応しいかを判定する。
    4. 採録と判定した場合には「採録に際し、強く修正を求める点」「著者へのコメント」を入力する。
    5. 採録(最終原稿を再確認)と判定した場合には「採録に際し、強く修正を求める点」「著者へのコメント」を入力する。特に、「採録に際し、強く修正を求める点」に、最終原稿を再確認する理由を明示する。
    6. 条件付採録と判定した場合には「採録の条件」「著者へのコメント」を入力する。
    7. 不採録と判定した場合には「不採録理由の選択(複数可)」「処置の提案(選択しなくても良い)」のそれぞれの選択肢の中から該当する項目を選択する。さらに、「不採録理由」と「著者へのコメント」を入力する。不採録の理由は、詳細かつ具体的に示す。例えば、既発表であれば文献を明示し、誤りがある場合には具体的に指摘する。単に「くだらない」「ほとんど自明」というだけでは、不採録理由の説明にならない。また、両査読者の内1人以上が採録または条件付採録と判定している場合には、当該査読者の意見を採用せずに最終的に不採録と判定した理由を、特に丁寧に明示する。

採録取消、著者(共著者を含む)に対する本会の全論文誌への1年以下の投稿禁止、編集委員会への謝罪文の提出(謝罪文は公開される場合がある)の罰則を科す場合の手続き

  1. 論文誌編集規程第4条に基づく処分の案は、編集委員長または編集副委員長が発議し、編集委員会における構成員(処分対象者および利害関係者を除く)の3分の2以上の議決により決議する。なお、投稿禁止の処分は、1年以下の期間を定めて決議しなければならない。
  2. 本手続きが開始された場合には、本手続きが終了するまで、処分対象者が著者に含まれる全ての記事の査読手続きを停止する。
  3. 第1項に定める決議を行う場合には、処分案を審議する旨および処分理由を記した書面を、議決の2週間前までに処分対象者の連絡先へ発送しなければならない。
  4. 前項の書面発送後10日以内に処分対象者が弁明の機会を希望した場合には、議決の前に、書面または口頭による弁明の機会を与えなければならない。
  5. 弁明の機会を与える場合、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)を通知する書面は、提出期限の4週間前までに、処分対象者の連絡先へ発送しなければならない。
  6. 処分が決議された場合には、処分する旨を記した書面を、処分対象者の連絡先へ発送する。
  7. 処分対象者は、処分に対する異議を申し立てることができる。なお、異議の申し立ては、前項の書面発送後10日以内に行うものとし、当該期間内に異議の申し立てが無い場合には、処分が確定する。
  8. 異議の申し立てがあった場合には、次の各号に定める者を構成員とする調査委員会を設置する。ただし、処分対象者および利害関係者は、構成員にはなれないものとし、各号に定める人数が充足できない場合には、編集委員がその代わりを務めてもよい。なお、原則として第i号に定める者を調査委員会の委員長とする。
    1. 編集委員長または編集副委員長 1人
    2. 編集幹事 1人
    3. アドバイザー 3人(ただし、処分対象記事のメタ査読者または査読者でないこと)
  9. 調査委員会は、処分について再検討し、その結果を編集委員長および編集副委員長に報告する。
  10. 編集委員長または編集副委員長は、調査委員会の結論に基づき、新しい処分案(処分をしない、または、処分を変更しないという案を含む)を編集委員会に発議する。
  11. 新しい処分案は、編集委員会における構成員(処分対象者および利害関係者を除く)の3分の2以上の議決により決議する。なお、編集委員会で否決された場合には、第9項の手続きからやり直すものとする。
  12. 新しい処分案が決議された場合には、その旨を記した書面を処分対象者の連絡先へ発送し、処分が確定する。
  13. 謝罪文の公開の処分が確定した場合には、遅滞なく当該情報を公表するものとする。
  14. 投稿禁止の処分が確定した場合には、確定時点で投稿されており、なおかつ、掲載されていない処分対象者が著者に含まれる全ての記事を不採録とする。
  15. 投稿禁止の処分が確定した場合、その期間は、処分確定日を起算日とする。

厳重注意書の送付を行う場合の手続き

  1. 著者(共著者を含む)に対し、何らかの注意が必要であると判断される場合には、編集委員長または編集副委員長名による厳重注意書を送付することができる。
  2. 厳重注意書の送付案は、編集委員長または編集副委員長が発議し、編集委員会の議決により決議する。

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